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最高裁判所第二小法廷 昭和42年(あ)2997号 判決 1968年6月14日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人服部恭敬の上告趣意のうち、憲法一四条違反をいう点について。

盗犯等の防止及び処分に関する法律三条所定の常習累犯者というのは、犯人の属性による刑法上の身分であって、憲法一四条にいう社会的身分に当たらないものであることは、昭和二六年八月一日大法廷判決(刑集五巻九号一七〇九頁)の趣旨に照らして明らかであるから、所論は採ることができない。

同憲法三九条違反をいう点について。

盗犯等の防止及び処分に関する法律三条は、同条所定の常習累犯者であるという事由に基づいて、新たに犯した罪の法定刑を重くしたに過ぎないもので、前犯に対する確定判決を動かしたり、前犯に対して重ねて刑罰を科したりする趣旨のものではないから、これが憲法三九条に違反するものでないことは、昭和二四年一二月二一日大法廷判決(刑集三巻一二号二〇六二頁)の趣旨に照らして明らかである。所論は採ることができない。

また記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって、同法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 奥野健一 裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 石田和外)

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